前編のインタビューでは、女性専用クリニック[イーク丸の内・表参道]ゼネラルマネジャーの白根さんに同院の強みが、「医療の質」と「アクセス」であると伺いました。後編のキーワードは「アクセス改善」。
アクセス?何の?改善できる?と、思われる方もおられるかもしれませんが、この言葉の裏には、白根さんの予防医療への思いと、スタッフへの信頼が込められていました。

画像: 「アクセスは改善できる」という考え方(後編)
ー年間2万人の女性が訪れる医療機関の取り組み-

白根真|Makoto SHIRANE
女性のための統合ヘルスクリニック[イーク丸の内・表参道] ゼネラルマネージャー。 株式会社メディヴァ 取締役。明治大学商学部卒業後、(株)ミスミにて徹底した顧客視点のビジネスモデル「マーケットアウトビジネス」をベースに、医薬品・医療材料のカタログ通販事業に従事。 2003年12月、(株)メディヴァに参画。「自分の家族や友人が安心して診てもらえる医療施設とは?」をテーマに、患者視点の医療変革を目指している。

物理的アクセスと心理的アクセス

画像: イーク表参道エントランス。窓からは、ケヤキ並木の表参道を見渡せる。

イーク表参道エントランス。窓からは、ケヤキ並木の表参道を見渡せる。

アクセスを改善するという取り組みを具体的に教えてください

来院者様と当院の距離をみるときに、2種類のアクセスを意識します。それが「物理的アクセス」と「心理的アクセス」です。

「物理的アクセス」は、わかりやすいところでまず立地。いわゆる交通アクセスなどですね。あとは情報へのアクセス。WEB上の検索性とか、これももう物理的アクセスに含めていいと考えています。

後者の「心理的アクセス」。これはひとりの女性がご自身の健康を考え、実際に健診を受けようとリサーチをはじめ、予約のアクションをおこし、来院し検査を受けご帰宅されるまでのストレス、ハードルをいかになくせるか、というイメージです。

健診ってそんなによろこんで受けにいくものではありませんよね?今症状があって辛いという状態でもありませんから、受けた方がいいと分かっていても何かと理由をつけて先延ばしにしたくなる。だから小さなことが心理的ハードルになりうるんです。

心のハードルをとりのぞき、早期発見のチャンスを逃さない

心理的ハードルはたしかにありますね。

たとえば忙しい合間の昼休みに予約をしようと電話をかけたけれど回線の混雑でつながりにくかった。極端な話、それだけでもう検査を受ける気を失くさせてしまうことはありえます。そのまま年1回の婦人科検診を後回しにしてしまったとして、その方は病気の早期発見のチャンスを後回しにすることにもなりうる。こういったケースを少しでも減らしたい。「あの時に検査を受けていれば」と後悔する女性をひとりでも減らしたいんです。

少し大きな枠組みの話になりますが、当院の「女性専用」というコンセプト自体にも、健診へ向かう気持ちを一歩おし進める力があると思います。

他には、自由診療の人間ドックなら料金体系もわかりやすくしないといけない。どんなコースがあるのかも見えやすくしたい。オプション検査などはどんどん増えていくので、ここは常に課題になっています。24時間WEBから予約でき、フリーダイヤルでも予約できる。予約オペレーターに必要十分な丁寧さが備わっている。手際よく対応してくれる。検査項目を提案してくれる。場合によってはその検査が不要であるといったアドバイスもする。クリニックのエントランスは明るく入りやすくあるべきで、検査を待つ間も清潔な空間で快適に過ごせる。できることは、いくらでもみつかります。

地道なアプローチですね。

はい。しかも評価されにくい努力です。患者さんにとっては感じずに済んだストレスなので、徹底するほど意識されなくなっていくでしょうね。それでも小さな積み重ねが、来院くださる方といい距離をつくり、翌年もまた受けにきてくれるきっかけになる。定期検診で女性の健康を守る医療機関としては、翌年も受けていただくことが何より重要なんです。

スタッフのモチベーションを支えるもの

画像: スタッフのモチベーションを支えるもの

受診者からの評価に直結しづらいポイント、職員の方はどのように理解し取り組まれていますか?

全職種のスタッフが、「女性の健康を守る」という意識をもっていると信じています。医師をはじめとした医療スタッフが質の高い医療を用意している。それならばと、自然と事務スタッフもプロ意識をもって各々の領域で業務に取り組みます。

現在のイークは、幸いスタッフに恵まれています。受付や事務方にもポテンシャルの高い方が多く、情報や数字をみて問題意識をもち自主的に話しあい、次のアクションを起こすだけの能力を持っています。チームワークもある。これが最初からできていたわけではありません。時間をかけて今にいたり、これからのイークの文化になっていくといいと思っています。

そこで僕にできるのは、まず成長の場を提供すること。最近では受付クラークの提案で、電話対応の勉強会を開催しました。それから、定期的に行っている全職種向けの接遇セミナーもあります。

あとは、可能な限り積極的に情報を開示すること。方針、数字など経営に関する情報も適宜共有しますし、意見も聞きます。

情報と成長の場を提供することが、信頼の証

画像: 「自分の家族や友人が安心して診てもらえる医療施設とは?」をテーマに患者視点の医療変革を目指す。

「自分の家族や友人が安心して診てもらえる医療施設とは?」をテーマに患者視点の医療変革を目指す。

情報公開や意見交換により、反対の声があがることもありませんか?

あります(笑)。当事者意識をもったスタッフが多いので、議論になるのは当然です。経営サイドの都合で言えば、トップダウンで指示だけ出した方がよほど早くて楽にちがいないのですが、患者様目線により近い彼女たちの意見は貴重です。時間をかける価値がある過程だと考えています。

「医療事務」には、受け身の職種というイメージがありました

一般的にはそうかもしれませんが、当院の事務スタッフには高い期待にもプラスαで応えてもらっています。彼女たちの能力への信頼の証として、情報と成長の場を提供します。僕の思い上がりかもしれませんが、これがみんなのモチベーションアップにつながってくれているといいなと思っています。

(おわり)

取材・文:塚田史香
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