プラタナスの広場 編集部
ICTが根づく在宅医療のヒューマンネットワーク Vol.2 遠矢純一郎医師が「フラットな組織作り」に取り組む理由
全3回にわたりお届けする、遠矢純一郎医師へのインタビューのVol.2です。遠矢医師は、在宅医療の現場におけるICT(情報通信技術)活用のパイオニアとして注目され、自身が院長を務める桜新町アーバンクリニックはICT活用の成功事例として数多くのメディアに取り上げられています。
しかし前回のインタビュー(Vol.1はこちら)で見えてきたのは、遠矢先生の「ICTの前にヒューマンネットワークありき」という姿勢でした。Vol.2となる今回は、同院の医師、職員の方々が、いかにしてフラットな関係を築き、在宅医療に有用なヒューマンネットワークを構築しているのか、実際の取り組みを伺います。
遠矢純一郎|Ju...
プラタナスの広場 編集部
世田谷区初の看多機開設│ 多職種連携を支えるマインドと仕組みとは
世田谷区初、医療機関が手がける看多機
世田谷区で初となる、新しい地域密着型サービス「看護小規模多機能型居宅介護(通称:看多機。かんたき)」が、2017年5月1日にスタートします。同区内で在宅医療や訪問看護を担ってきた桜新町アーバンクリニックが手がける「かんたき」、『ナースケア・リビング世田谷中町』です。
「看多機」は、2012年に始まった新しい地域密着型サービスです。全国的な広がりをみせていますが、その多くは訪問看護介護分野の業者や企業による運営です。『ナースケア・リビング世田谷中町』のように、医療機関が運営を手がけるのはめずらしい例であり、これからのモデルケースとして注目を浴びています...
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在宅患者様のQOLを守る│大野木宏彰氏の<在宅でもできる頸部聴診法>セミナーレポート
美味しく安全に自分の口から好きなものを食べる。
そんなごく当たり前に思えることが、嚥下機能が低下し始めた高齢者には難しい。
患者さんのQOLに大きく関わるポイントだからこそ、医療者にとって、嚥下評価は悩みどころの
一つではないでしょうか。
約400名の在宅患者さんを抱え、年間約100名のご自宅での看取りを支える【桜新町アーバンクリニック在宅医療部】。
在宅患者様のQOLを維持したいー。
そんな思いから、遠矢純一郎院長を座長に≪言語聴覚士 大野木宏彰先生≫を講師に迎え、地域の医療者を対象とした「在宅でもできる嚥下評価セミナー」が開催されました。
講師紹介
大野木 宏彰 │Hiroaki O...
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キャリア|大切なのは「Continuity」。-家庭医の資質を考える-
今年で開院16年を迎える東京都世田谷区の用賀アーバンクリニック。脳外科医としてのキャリアから、家庭医の道を選択された野間口聡医師(医療法人社団プラタナス理事長)と、僻地の赤ひげ先生から、都市部ならではの家庭医療の道を歩まれる田中勝巳医師(用賀アーバンクリニック院長)。
おふたりが家庭医として『大切にしているもの』と『やりがい』とは?
広く浅く診れること、その先に深みがあることを知っていること
― 用賀アーバンクリニックが目指す家庭医療について教えてください。
田中勝巳医師(以下、田中):
定義的には、アメリカでいう家庭医と、日本の家庭医は違います。アメリカの家庭医は訓練されていて、お産か...
プラタナスの広場 編集部
キャリア|赤ひげ先生から都市型のファミリードクターを目指す
近年、家庭医療、プライマリ・ケアに注目が集まる中、都市部ならではの「家庭医療」に取組むクリニックがあります。2000年、世田谷区・用賀の地に開設された用賀アーバンクリニック。
「ぼくはホントは外来診療向きじゃない」と笑う野間口聡医師(現:医療法人社団プラタナス理事長)と、現在、同院の院長をつとめる田中勝巳医師に話を伺いました。
開院以来16年。
地域のファミリードクターとして患者様に寄り添い続ける確かな自信が、そこにはありました。
最適な医療をうけるためのゲートキーパーに
― なぜ家庭医の道へ?
野間口聡医師(以下、野間口):
僕は脳外科の病棟医からスタートして、縁あって用賀の地に開業し...
プラタナスの広場 編集部
ICTが根づく在宅医療のヒューマンネットワークvol.1 遠矢純一郎医師インタビュー
2009年6月、東京都世田谷区に桜新町アーバンクリニック在宅医療部を立ち上げ、同時に在宅医療の現場にスマートフォンの活用を導入した遠矢純一郎医師。iPhoneを活用した患者情報の共有や、ディクテーションによるカルテ記述が話題となり、翌年の孫正義氏との対談や2013年MCPC Award(モバイルコンピューティングコンソーシアム)特別賞受賞をきっかけに、今なお在宅医療業界において注目を浴びる存在です。
ICT活用のパイオニアであると同時に、地域の在宅医療を支えるチームにおけるひとりの医師として、遠矢医師は今なお現場の患者さんと向き合い続けています。ICT活用の経緯を伺う中で、同院がICT活...
プラタナスの広場 編集部
【家庭医×グループ診療の先駆者に聞くVol.2】 診療所運営で業界経験よりも大切にしたこと
前回Vol.1では、用賀アーバンクリニック理事長の野間口聡医師に、同院のコンセプトを立案した際の経緯や込められた思いを伺いました。Vol.2となる今回は、院長の田中勝巳医師、事務長の越路公雄さんにも参加いただきます。
座談会のテーマは《運営体制》。ファシリテーターは株式会社メディヴァの岩崎克治さんです。用賀アーバンクリニックは、運営体制において2つの特徴をもっています。1つは、外部(株式会社メディヴァ)に経営支援を依頼していること。もう1つは、歴代の事務長をはじめ経営スタッフの多くが医療業界未経験者であることです。
「本当にもう、素人で困ったなあって感じで」
これまでの歩みをふり返る野間...
プラタナスの広場 編集部
「アクセスは改善できる」という考え方(後編) ー年間2万人の女性が訪れる医療機関の取り組み-
インタビューの前編では、女性専用クリニック[イーク丸の内・表参道]のゼネラルマネジャー 白根真さんに、同院の強みが「医療の質」と「アクセス」であるとのお話を伺いました。後編のキーワードは「アクセス改善」です。アクセス?何の?改善できる?と、思われる方もおられるかもしれませんが、この言葉の裏には、白根さんの予防医療への思いと、スタッフへの信頼が込められていました。
白根真|Makoto SHIRANE
女性のための統合ヘルスクリニック[イーク丸の内・表参道] ゼネラルマネージャー。 株式会社メディヴァ 取締役。明治大学商学部卒業後、(株)ミスミにて徹底した顧客視点のビジネスモデル「マーケッ...
プラタナスの広場 編集部
【家庭医×グループ診療vol.1】クリニックのコンセプト立案と実践の鍵
「家庭医」「患者様目線」「オンラインでカルテ開示」
この3つは、用賀アーバンクリニックのコンセプトです。同院の開設は2000年。今でこそ医療関係者には既視感のあるこれらのキーワードも、当時の医療界では、革新的な試みでした。
それから16年。
激戦区と言える世田谷区用賀で、今なお増患を続ける同院が、いかにコンセプトを立案・実践し、どのような運営体制を選択してきたのか。理事長の野間口医師と、同院を含む病医院の経営をコンサルティングする株式会社メディヴァの岩崎さんが、開業当時をふり返ります。
イノベイティブなコンセプトをとりまく内幕話からみえてきたのは、「我慢強さ」という実直な言葉でした。
医...
プラタナスの広場 編集部
鎌倉アーバンクリニック 高橋究は 鎌倉で未来を見つめる“昭和”の小児科医
鎌倉駅西口から徒歩4分の「鎌倉アーバンクリニック」は、2006年に10年開業した小児科と内科の診療所です。白壁の外観や吹き抜けの天井、アロハシャツのスタッフは、海辺のプチホテルを思わせます。院長の高橋究医師は、物腰柔らかに自らを「昭和の医者」と語りますが、実は医療界において時代の最先端といえる経歴をもっています。
鎌倉駅西口から4分の小児科・内科クリニック
―この地に開業された経緯は?
学生時代のヨット部の縁もあり、鎌倉で医療に携わることになりました。もともとはここからすぐ近くの別の病院に、副院長として勤務していたんです。担当は小児科・人工腎臓。それが1988年からで、ここ(鎌倉アーバン...
プラタナスの広場 編集部
「アクセスは改善できる」という考え方(前編) 年間2万人の女性が訪れる医療機関の取り組み
自由診療の医療機関が考えるべきアクセスとは?
「医師もコメディカルも、医療者は医療者としての使命感をもち高みを目指している。これは当院に限ったことではないし、自由診療を扱う医療機関ならばなおさらです」
こう話してくれたのは、年間2万人以上の女性が訪れる医療機関「イーク丸の内・表参道」のゼネラルマネジャー 白根真さん。同院は、2008年に東京駅丸の内南口のTOKIAビル内に開設した女性専用の健診クリニックで、2013年には姉妹院の「イーク表参道」も開設。乳がんや子宮頸がんをはじめとした女性特有の疾患の予防や早期発見に注力した、女性専用の人間ドックが人気です。
健診センターや予防医療サービス...